カウンセラーというのは、ただひたすらその「時」を待つという場合がある。
いや、それが全てだといっていいかもしれない。
河合隼雄氏は「何もしないことに全力をあげる人」という言い方をした。
その人が大きなものを抱え込んでひじょうに困難な状況を知る。
心情的に強い同情が湧き、すぐに何とかしてあげたいと思う。
とにかく急場を凌ぐために助ける。
ものすごく感謝されるだろう。
しかしまたすぐに同じ状況に陥る。
また、何とか乗り越えるために手を差し伸べる。
その人にとても感謝される。
いつの間にかその人の恩人になる。
何度か同じパターンが繰り返される。
その人はやがて助けられることを期待するようになる。
助けてあげる方はやがてそれを疎ましく思うようになる。
その後は想像どおり、遠からず相互の関係に破綻がくる。
そんなとき、カウンセラーはギリギリのところで
その人の力を信じながら待つ。
そばに寄り添いながら、
共感しながら、
直接何もしないことに
もの凄いエネルギーを使いながら、
一緒に待つ。
やがて、いつの間にかエネルギーを蓄えたその人は
自ら生み出した方法で自らを助け、力強く歩き始める。
カウンセリングなんてたいして役に立たなかった。
そうなのだ。それでいいのだ。