見返りを求めない助け


他人への無償の援助はとても難しい。

 

つまり、見返りを求めない助け――は、理想的に見えて、実際にはとても繊細な力学を孕んでいる。

 

以下、あえてマイナス面に絞ってみる。

 

受ける側の心を傷つける

受ける側は、感謝や恩義を抱くと同時に、無力さ、恥、依存への不安、あるいは「対等ではない」という痛みを感じる。

 

主従関係を作り上げる

助けられたものは、助けた者に頭があがらない。永遠に「貸し」を背負わされたように感じ、その人の前では自由にふるまえない。

 

深い劣等感を植え付ける

自尊心や「自分の力で生きたい」という本能的欲求を潰す。「恩」という重荷が助けられた者の成長や自立を妨げる。

 

場合によっては、ドストエフスキー小説の登場人物のように、助けられた者が無償の援助者を憎悪し始める場合だってあるかもしれない。

 

助ける側は?

純粋であるほど、それはそれは気持ちいいだろう。

 

考えるに、無償の援助はキリスト教的な人道主義が要請するものなのかもしれない。つまり、一方的に助けられる人の存在をいつまでも必要とする世界観。神と人間。

いや、まだよくわからないが。

 

日本の「お互い様」という感覚は好きだ。